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処理場残渣の肥料としての利用
小笠原村父島下水道では、実験的試みとして、下水を処理した後に分離される有機物質を肥料としてバナナ等の作物を栽培し、野生生物の食草を生育することを目指しています。
その第一歩として、下水処理後に分離される有機物を堆肥化し、その堆肥を栄養源としたバナナの生育実験を行っています。
この試みがうまくいけば、島民や島に観光に訪れた人の排出物を好循環させ、人と希少な野生動物の共存に寄与することができるようになります。
1.実験準備状況:耕作実験地整地


2.実験開始から4ヵ月後の2015年8月のバナナの生育状況:成長差顕著


実験開始から4ヵ月後のバナナの生育状況です。
写真左側は下水道分離有機肥料を施肥した生育状況、写真右側は対照実験のため施肥をしないでバナナを生育した状況です。
写真からも明らかですが、下水道有機肥料を施肥をしたバナナは、施肥をしなかったバナナに比べ2倍から3倍に大きく成長しています。
3.実験開始から8ヵ月後の2015年12月のバナナの生育状況:冬になっても成長


北緯約27度、亜熱帯気候の父島では、12月でも半袖で過ごせるほど暖く、花をつけている樹木を見かけることができます。
写真左側は下水道分離有機肥料を施肥したバナナの生育状況、写真右側は施肥をしないバナナの生育状況です。
下水道有機肥料を施肥をしたバナナは、施肥をしなかったバナナに比べ約3倍の150cmに大きく成長しています。
しかし、まだ残念ながら果実はつけていません。バナナは多年草のため、来年は結実してくれると期待します。
4.実験開始から11ヵ月後の2016年3月のバナナの生育状況:結実

11ヶ月経過しついにバナナが結実しました。
写真左側は下水道分離有機肥料を施肥したバナナの果実と花、写真右側は果実の拡大状況です。
一方、施肥をしなかったバナナは、結実どころか4ヶ月前と比べ成長がほとんど見られませんでした。